第二次世界大戦の捉え方


同じ第二次世界大戦をとっても
捉え方、捉えられ方は
国によって様々です。


日本は
自身が積極的に主張: 核被爆国としての日本
欧州世界からの見方: カミカゼ攻撃隊としての日本
米国からの見方: 真珠湾攻撃を仕掛けてきた日本
アジアからの見方: 侵略者としての日本


米国は、国内では
真珠湾」か
「対独・対ナチス」のことが
メインで取り上げられることがありますが
あまり強く取り上げられることはないと思います。



何に驚いたのかと言いますと
ロシアの第二次世界大戦の捉え方
「我が国の英雄たちの勇敢なる闘士により
悪のナチス軍は倒され祖国は救われたっ!!」
です。



日本では
敗戦国、侵略者という事実から
あまり第二次世界大戦について
強くpromoteするようなことは
あまり聞いたことがありません。


米国も、人種のサラダボウルだとか
訴訟国家だとか言われるだけあってか
第二次世界大戦について
誰かを悪と決めて槍玉に上げるようなことは
滞米時ほとんど感じませんでした。
まぁ、12月07日には高校の校内放送で
「全校生徒黙祷」なんてのがありましたが。
あってその程度でした。
History ChannelでNazi weekが多いのは
政財界を握るユダヤ人社会の力なのかな…
なんて、今さらながら思ったりもしました。


日本の侵略・統治に遭った国々では
08月15日や09月02日・03日は
光復節解放記念日
国慶節や抗日戦争勝利記念日
盛大に祝っていますし
そこでは、日本軍の侵略が
如何にひどかったなど
語られることは確かに多いと思われます。



今回見せて頂いた展示では
ナチス軍との戦闘がどんなもので
その戦闘により人々の生活はここまで困窮し
(i.e. レニングラード包囲網による食料供給の断絶など)
ソ連軍兵士がどれだけ勇敢に戦い
いかにして祖国は守られたのか
ということを
展示だけでなく、ちょっとした小劇と共に
司会者の方が説明してくださいました。



彼らとしては
戦争は悲しいものだった。
ソ連軍は勇敢に戦った。
その二つを言っているように聞こえたのでしょうが
私には異様に映りました。



ソ連軍を形容するときには
великий(偉大な)、герой(英雄)
といった単語がたくさん出てきましたし
ドイツ軍を形容するときに
фашист(ファシスト)という単語が
これもまた幾度となく出てきました。
「ドイツ軍」というニュートラルな言い方はしないんですね…
と私が思ったのは、
たぶん敗戦後、日本自身を否定するような教育
いわゆる「戦後教育」と呼ばれる教育を受けた
そんな日本人であるからなのでしょう。


戦勝国で国連常任理事国で先進国のロシア
なのに、敗戦国並みに戦争の悲惨さを国民にpromoteし
被侵略国のようにナチス軍をファシスト呼ばわりする。
なかなか珍しいなあ…
と感じました。


このことを
その日の夜、日本人の方にお話ししたところ
こうお答えいただきました。
たぶん、ロシアは
石油大国として経済成長した、とか
先進国として世界で発言力を得た、とか
なんだかんだ言っても
まだ本当の自信というものを
得ていないんだと思う。



あと20年くらい後
再度ロシアを訪れることが会ったとき
その時の05月09日は
どんな感じになっているのか…
気になるところです。



余談ですが
この展示会で初めて
涼宮ハルヒの憂鬱の「射手座の日」で
劇中歌で流れていた
どっかで聞いたことがある曲が
ショスタコーヴィチ交響曲第7番第一楽章
「戦争の主題」だということを学びました。