観光客2 白色の街と黄色の人


この日は
とても興味深いものを目にしました。


チェスキー・クルムロフ
中央の政策からは置いていかれた街であり
住民が全て追放された街でもある
そんな過去を持つこの街は
昔の景観がそのまま残る街でした。
だからこそ、世界遺産に登録されたのでしょうけど。


その街並みは
絵画の世界に出てくるようなヨーロッパの街並みで
全面石畳の通りや広場に
赤い色の屋根の家がところ狭しと並んでいます。

  • クリスマス直後で住民のほとんどは、街の外の家に帰っている
  • もともと人口がそれほど多くない街
  • クリスマスなので、白人旅行客が少ない


という条件が重なってか
この日、この典型的なイメージ通りの白人の街を闊歩していたのは
日本人観光客と中国人観光客でした。
日本の観光ツアーに、ここは組まれているようです。
ガイドさんが、大勢を案内していました。


なんでしょう。
京都の清水寺
外人さんばかり見るあの光景と
近いものを感じました。


まぁ、私を含めアジア人にとっては
アジア的な街並みはただの日常であり
非日常的な、しかもイメージ通りの欧州の街並みは
憧憬の的そのもの。
私も、そんな景色が一目見たくて訪れたのですから。


欧州観光客からすれば
同じコトなのでしょう。
欧州的街並みは日常で
非日常的な、しかもイメージ通りのアジアの街並みは
神秘的なもの。
海外で売られている日本についてのガイドブックの表紙が
必ずと言っていい程、お寺か芸者さんの写真であるのが
そのいい例でしょう。


だからなのでしょうか
道ですれ違う日本人観光客の方々は、口を揃えて
「日本人多いなー」
「どこ行っても日本人だらけだなー」
と言っていました。
かくいう私もです。


そして、すれ違う日本人の方はみな
他の日本人の方とすれ違うときに
どこか残念そうな顔をしていました。
その成果、別グループの日本人とは
全く接触を持とうとしませんでした。
again, かくいう私もですが。


欧州的な街並みに
肌の白い人が陽気に歩く中を
黄色一点として歩くのを想像していたのに…


私の発言には
この落胆は含まれていました。
彼らの発言にも
きっとこの落胆は含まれていたことでしょう。


清水寺にくる外国人観光客の方々は
どんな思いを感じているのかなぁ。
気になるところです。